税務署は何を調査しているのか?
相続税の申告後、税務署から、「相続税の調査をしたいのですが」という連絡を受けることがあります。
税務署における相続税の調査ではいったい何をしているのでしょう。
税務調査では、相続税の申告書に添付した評価計算が正しいかどうかはもちろん、財産・債務にもれがないかを確認してきます。
実は、税務署の所有している資料は、相続税申告書に添付しているものだけではありません。
事業や賃貸を営まれている方は、確定申告をされていると思います。過去の確定申告の資料から、どれほどの所得がその方に毎年発生しているか、毎年税務署に報告していることになりますので、その状況から相続が発生し、財産が少なすぎる相続税の申告をした場合、その理由が不明であれば、税務署側からすると不自然な申告ということで、税務調査の対象になる可能性が高くなります。
財産の評価計算が正しいか?
また申告に漏れがないか?
被相続人の過去の確定申告等から所得がどれくらあったか?
その他、申告内容に
不自然な内容がないか?
税務署の調査官が家に来る!?
さて、実際の税務調査では、被相続人の生前のご自宅に訪問することが通例です。
最初にご本人の生活状況、預貯金の管理状況を相続人の方に確認します。
生前ご本人が預貯金通帳や権利証などの貴重品を保存していた金庫も確認します。金庫の中身を確認、同居家族の預貯金も確認することがあります。また、金庫にある印鑑は、すべて印影を取ります。最近使用したかもチェックするのです。
申告書に添付している資料も、現物をチェックし、不明点があれば相続人に確認をしていきます。
調査は1日または2日のケースが多いですが、調査後に改めて訪問を受けたり、税務署へ出向く場合もあります。
調査に当たっては、本人が利用していたと考えられる銀行にて、税務署が取引記録を事前に確認して調査に当たる場合や、調査当日に本人・同居親族の預貯金の現物を確認、後日銀行にて取引記録を確認することがあります。
特に家族名義預金は税務調査の重点項目になります。
これは、贈与申告をしていないにもかかわらず、被相続人からご家族の預貯金に名義変更されているものについて、その変更の際の金額・理由・状況から、明らかに被相続人に属すると考えられる預貯金をいいます。
この場合、預貯金の申告もれとして修正申告をすることになります。
調査をしてその申告内容に問題がなければ、申告是認として調査は終了します。
以上が、相続における申告後の税務署が行う調査概要です。
税理士による違いとは?
相続は、単に申告はすればよいというものではなく、税務署が調査した内容とも相違がなく、かつ法律的にも妥当なものであるものでなくてはなりません。
従って、申告が是認されない限り、再調査・再提出は何度も求められることになります。また逆に、申告不要な財産があっても、税務調査官はそのことを指摘してくれるわけではありません。
税理士による経験値や実績の差は、申告の是認率の高さと、いかに相続税を最小限に抑えるかに大きく影響されます。
YMG林会計ではお客様への税務署からの調査を極力減らすべく書面添付制度を利用し安心して相続税の申告を行っていただけるよう対応いたします。
相続における是認とは、相続人またはその代理人(税理士など)が作成・申告した相続の書類の内容について、税務署が問題ないとしてその申告内容を受理することです。
税務当局による調査の事前通知前に、税理士がどう申告書を調製したのか、添付書面や税理士による意見の陳述を通して明らかにすることにより、税務執行の円滑化・簡素化を図る制度です。
この制度によれば、税務当局が実地調査に移行せず、税理士の陳述のみで調査が完了することも可能となります。